施術や自宅で手軽に
死海ミネラルを
補給できる技術や製品の
開発に取り組む
ミネラリア研究所を訪ねて
皮膚疾患やリウマチ性疾患、アトピー性皮膚炎などに効果的とされ、約2000年前から人々に親しまれ続ける「不朽のトリートメント」。そんな死海ミネラルの魅力をいかしたセミナー開催や商品開発を手がける、ミネラリア研究所の技術顧問、石田美鈴さんにお話を伺いました。
【プロフィール】
- 株式会社ミネラリア研究所 技術顧問
- 英国IFA日本支部代表
- 英国IFA認定国際アロマセラピスト
- Belle Clochette (ベロクロシェット) オーナー
エステティックサロンの責任者経験を経た後、アロマ知識を深めるため渡英。英国IFAの資格を取得し、現在はサロンオーナーとしてセラピストとIFA日本支部代表の業務に従事。ミネラリア研究所の技術顧問に就任してからは、調香をメインに携わっている。
水処理会社から誕生し、日本で唯一
セミナーを開催する死海の代表的企業へ
1999年に水処理会社内の子会社としてミネラリア研究所が設立。当時は、プールやスパの設備提案を主な事業内容としていたが、健康・美容業への注目が集まる中で、圧倒的に優れたミネラルバランスを誇る死海に着目し、設備への応用を開始する。死海の認知度が広まりつつある2003年には死海化粧品を発売。これを機にエステサロンでの需要も高まっていったという。また、イスラエル現地で取り入れた死海のミネラル情報をいかした独自セミナーの開催など、アフターフォローを充実させたことで、徐々に死海ケアを施術に取り入れるお客様が増えてきているのだそう。
「ミネラリアブランドの製品は、イスラエルのデッドシーワークス社から原料を直輸入し、日本人の肌に合わせて処方している点において、他にはない厚い信頼を頂いています。水処理会社という特殊な環境で得た“水”への知識やデッドシーワークス社との繋がりが、死海の魅力を伝えていくにあたりとても重要でした」と石田さんは語る。
死海の天然資源
死海素材を用いた施術は、通常の施術よりも洗い流しや拭き取りが必要となり、大掛かりなイメージを持つお客様が多いという。そこでミネラリア研究所では、個人サロン様でも扱いやすい“部分ケア”を提案している。ミネラリアブランドでお馴染みの「マリスリムスミネラルマッド」をガーゼに包んでホットキャビで温め、それを患部に当てるという方法で、普段のメニューにプラスαとして利用することで、施術の効果を高めながら死海のミネラルケアが可能になる。
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- デッドシーマッド(泥)
- 死海の沖積層には、先史時代の海からのミネラル混合物と共に、動植物の死骸が含まれ、生物由来の硫化物、海藻由来のホルモンが豊富です。リウマチ性疾患に幅広く効果があるとされ、主にペロセラピー(泥療法)で泥マスクとして活用されている。保湿性・保温性※に優れ、フェイスやボディーに使用も可能。
- ※例:18℃から17℃へ低下するまでに14分を要する
(外気温により変動する)
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- デッドシーウォーター(死海の湖水)
- 死海は、海抜マイナス400mの低水域にあり、ヨルダン川と絶え間なく湧く温泉からなる湖である。高温乾燥という気候で、水の蒸発が水分供給を上回る特殊な環境から海水の塩分濃度が約3%であるのに対し、死海の湖水は約30%の濃度を有している。この塩分には、マグネシウムを始め多くのミネラルが溶け込んでおり、その濃度は世界一と言われている。
元素 | 死海 | 海水 | 温泉水 |
---|---|---|---|
マグネシウム | 40.65 | 1.20 | 0.057 |
カルシウム | 16.86 | 0.41 | 0.093 |
ナトリウム | 39.15 | 11.00 | 0.149 |
カリウム | 7.26 | 0.39 | 0.075 |
参考文献:死海メディカルリサーチセンター(単位:g/l)
死海原料にパフューマー技術を
取り入れた独自ラインの開発
ミネラリアブランドでは、主に死海から採取できる水、塩、泥などの死海素材をメインに商品展開を経て、2013年から、アロマセラピー効果50%、香り効果50%の目標を掲げ、死海塩に香りを加えた入浴剤の開発を始動した。
「例えば、パン屋さんの前を通りかかった時に、パンの焼ける「良い匂い」に感情が動くように、ダイレクトに人の感情に届く香りを目指しました。アロマセラピーにおいての香りは、療法としての機能面を重視しているため上質であっても、人の感情を大きく動かす様な香りに近づけることは難しいのです。そこで、取り入れたのがパフューマー技術でした」
当時、石田さんはアロマセラピストとして主に活動していたため、パフューマーとしての知識・技術を一から追求する必要があった。その後、渡英時代に培った人脈をいかし現地の調香師から直接技術を習得、アロマセラピーと調香を融合させた独自の香り開発を手がけた。
デッドシーバスソルト
イノセントシリーズ
ゆず&アロマフラワー
ミネラリアブランドでしか成せない至高の香りシリーズに新しい香りが登場。バスソルトをお湯に入れた瞬間バニラの香りから始まり、後から広がるゆずと花々の絶妙な調和。リラクゼーションを追い求め、これまでにない“ゆず”を完成させた。
「通常のフレグランス商品と違うのは、入浴剤であるために、浴室でその効果を発揮しなければならないという点でした。お客様が入浴した時の状況を再現するために、湯船に浸かってシミュレーションする必要があるのです。調香時にイメージと合った香りに仕上がっても、お湯に加えることで、上手く香りが拡散しない、もしくは水分や温度と反応して全く別の香りへ変化してしまうことも多々あります。大量のお湯とシミュレーション入浴が必要となるため、大掛かりな試作工程と長い期間を要しました。ミネラリアの入浴剤開発で最も大切だったのは、多岐にわたる試作と忍耐力かもしれません」
使用する香りには精油を使用し、香りの劣化を防ぐために褐色ボトルを採用。さらに安全性の高いクチナシ色素で着色するなど、素材にも十分なこだわりが感じられる。 ミネラリア研究所の主軸となる死海素材のひとつ、死海塩に香りや色をプラスし、親しみやすい入浴剤にすることで、ミネラルケアの習慣化を推進している。
「死海セラピーは“自然志向派”と、とらえられがちですが、約2千年以上も親しまれてきた天然資源を活用しているだけに、その効果は本物です。今後もセミナーと共に、習慣化しやすい新しい発想の死海製品の開発に取り組み、サロン様が死海セラピーの魅力を知るきっかけを増やしていきたいです」
お湯を用いた特殊な調香から製品化までの流れ
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香りの系統を定め、写真や画像などの視覚からも香りイメージを取り入れながら試作。ブレンドした精油を死海塩に少量ずつ添加していく。
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精油入の死海塩をお湯に溶かし、香りの拡散性、強さ、バランスを確認。入浴時に香りの良さが引き立つよう試作品の調整を行う。
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条件:美しい香りであること、他にはない特徴的な香りであること、浴室で拡散しやすい香りであること
2と3の工程を繰り返し実施し、モニター試用結果で8割以上の支持があれば完成となる。最後に工場で試作品を製造し、香りの最終確認を行う。
日本で唯一の死海セラピーセミナー
「トライアルスタディ」を実施
セミナーでは、主に商品知識ではなく、ミネラルの働きと、正しい使用方法に重点を置いています。死海の水、塩、泥を使用した美容・健康療法をはじめ、死海化粧品でのスキンケアを、新しいデッドシーセラピーのメソッドとして体感しながら学ぶことができます。
- 【セミナー内容】
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- 死海セラピーについての解説:約30分
- 死海泥のボディトリートメント:約1時間30分
- 質疑応答:約30分
- 【開催場所】
- 〒154-0022 東京都世田谷区梅丘1-62-14
小田急線「梅ヶ丘駅」徒歩 3分
株式会社ミネラリア研究所
お問い合わせ先はこちら
TEL:03-5451-3703